(来訪日:2018年11月10日)
「ビリーザキッド」の3つのポイント
★シンプルメニューの昔ながらのステーキハウス
★チョリソーがうまいからぜひ食べてみて!
★こだわりのウエスタン調の内装
ビリーザキッドはステーキ屋さんである。
ここを紹介してくれた友人は40代で、この地駒込で生まれ育った。
小さな頃からよく家族で休日に食事に来ていた馴染みの店だという。
アメリカ開拓時代の雰囲気を再現したという、ログハウス風の店内には、インディアンの絵や、カウボーイが身につけているような革具や馬具、西部劇に登場する荒くれ者たちの溜まり場のような寂れた雰囲気。テーブルも分厚い木の板で、店の内装の装飾品その一つ一つに店主のこだわりを感じられるのだが、どれ一つ取ってもここ何年も1ミリたりとも動かしていないような、もう何十年も変わっていないのではないかというようにものと空間が染み付くように一体化した空間になっていた。
友人も「俺が20年前に来た時もこんな感じだったような」と、確かに言っていた。
ここはメニューも昔から変わらない。
-テキサスステーキ400g
-キッドステーキ 200g
-メキシカンビリーステーキ (赤身肉)180g
-ジャンボハンバーグセット 500g
-インディアン 225g(焼肉風味)
メインの肉メニューはこの5つ。
あとはサイドメニューがいくつかあるだけである。とてもシンプル。
店内にかけられたメニュー表も、その文字のフォントデザインから年代を感じることができる。およそバブルの時期には既にあったのだろう。
価格設定も、前あった値段から上書きされて、元の文字が透けて見えているため、10円だけ価格が高くなっているのがわかる。
・・・ということはつまり、おそらく消費税導入前から税抜き価格はほとんど変わらないまま営業しているということになる。
近頃は低糖質の食事法が流行していることもあって、ステーキ屋も増えてきたが、「いきなりステーキよりも、くいしんぼよりも、俺はビリーが一番好きだ」と友人は語る。
常連の友人が頼むメニューはいつも決まって
・キッドステーキ200g 1780円(税抜)
・チョリソ 650円(税抜)
この二つだそうだ。
郷に入りては郷に従えと言うことで、私も同じメニューを頼んでみることにした。
テキサスステーキには、サラダとご飯がついてくる。
<サラダの写真撮り忘れた。そのうち追加する>
サラダは色がオレンジがかっているが、味はコールスローのようだ。
昔ながらのステーキハウスで食べるあの味だ。私はこの味が気に入った。
だが常連の友人はこのサラダは好きではないらしくいつも残すのだとか。
勿体無いので私がもらって食べた。
<ご飯の写真も撮り忘れた。そのうち追加する>
ご飯は、普通盛りと大盛りが選べる。
ご飯は、普通。問題なく美味しい。
ステーキはミディアムレアで注文。
鉄板皿に、豪快に大振りの肉がのり、塩・胡椒がまぶされ、バターが添えられている。
肉汁があふれんばかりに鉄板の上でふつふつと音を立てながら、じんわりと次第に大人しくなっていく。
肉の部位は・・・わからないが、サーロインかリブロースあたりだと思われる。
ナイフがすっと入り、とても柔らかい。
肉の厚さは垂直に切った断面が1cm弱くらいと、それほど厚みはないものの、噛んだところから肉の繊維と脂身をしっかりと感じられる肉らしい肉。
うん、うまい!!
あまり表面をこんがりと焦がすように焼かないためとても柔らかいが、その分肉汁が逃げやすいようだ。一気に肉を切ってしまうと断面からどんどん肉汁が逃げていくため、口に運ぶ分ずつ切っていくのが正解だ。
なんと言うか、焼いたというよりも蒸したようなふっくらとした焼き上がりだ。
普段ステーキなら400グラムぐらい余裕で食べるのだが、なぜだかビリーのテキサスステーキは200グラムでも十分な満足感を得られた。
サイドメニューのチョリソ(650円)は小ぶりのあらびき辛口ウィンナー。
チョリソーではない。チョリソ。
ぎゅっと中身が詰まっており、つなぎ目のところから肉が飛び出しているところもある。
フォークを指すとびゅっと肉汁が飛び出した。
歯を当てると、強い弾力が歯を押し返そうとする。
肉汁が漏れないように歯を立てる。口の中に肉の旨味とスパイスのピリリとした刺激と香りが広がり、後から強めの辛味が追いかけてきた。
これだけでもご飯が2杯くらいいけそうだ。
このままでもかなり濃いめの味付けだが、友人は醤油をたっぷりかけて食べるのが好きらしい。熱々の鉄板で醤油が焦げて行き香ばしい香りが広がる。
薄味党の私にはしょっぱすぎるが、確かに醤油ともよく合う。8本あるので1〜2本はぜひ試してみてほしい。
食事を終えると、コーヒーが出てきた。
ところどころ火で炙ったように焦げ付いたホーローのコップに、中が透けるほど薄いコーヒーが注がれている。山小屋で飲んだコーヒーを思い出した。
コーヒーはアメリカン派! そんな私でさえもこれほど薄いコーヒーは飲んだことはなかった。だがステーキを食べた後の口の中の油っぽさはこれでも十分スッキリ取れた。こんな薄いコーヒーでも、肉料理には欠かせない。
驚くほど薄いコーヒーすら美味しく感じられる、妙な雰囲気がこの店にはある。
<コーヒーの写真も撮り忘れた。気が向いたら追加する>
ビリーザキッド駒込店は、なんと深夜3時まで営業している。
なんとも中途半端な時間に思えるが、それもまたこの店の不思議なところ。気になってしょうがないが、そんなところもまた愛おしく思えてくる。
ビリーザキッドは都内に何店舗かある。実は日暮里店にも行ってみたのだが、ほとんど内装も味もメニューも違いはなかった。
他には大久保、錦糸町、南行徳、新小岩・・・と、どこも渋めの場所ばかりだ。
それもまたビリーらしい。
【店情報】
「Billy The Kid」(ビリー・ザ・キッド)駒込店
東京都豊島区駒込2-7-6
営業時間 18:00〜3:00
年中無休(不定休あり)
電車でのアクセス
JR駒込駅の北口を出て、道路を右側に(六義園とは逆方向に)進み1〜2分ほど。
公式サイト
http://www.billy-the-kid.co.jp/
公式サイトは個人的にお気に入りだ。
見ればわかるが、30代以降の人にとって懐古的なサイトである。
阿部寛の個人サイトを彷彿させる。
最後に今思い出したが内装と外観の写真も撮り忘れていたことに気がついた。
肉に夢中になりすぎた。